☆夜間頻尿(高齢女性)
抗コリン薬:
異常な膀胱収縮の抑制。ただし、尿閉になることがある。1st choiceはβ3作働薬。
副作用:口腔乾燥や便秘、尿閉、中枢神経症状、心拍数増加など
禁忌:尿閉、緑内障、腸閉塞、重症筋無力症、重篤な心疾患、肝障害
・ベシケア 1日1回5mg、10mgまで増量可能(Cr30以下では2.5mgから開始し5mgまで)
緩徐な作用で心拍数増加などのM2作用が少ない。M3受容体選択性の拮抗薬。
cf)M1:中枢、胃、食道、M2:膀胱、心臓、M3:膀胱、大腸、唾液腺
・ウリトス 1回0.1mg1日2回 朝夕食後 1回0.2mg1日2回まで増量可能
特にM2作用が少ないため循環器リスクあるときに使う。M1,M3拮抗作用で、膀胱選択性が高い。
・バップフォー 1日1回20mg食後服用、1回20mg1日2回まで増量可能
抗コリン作用とCa拮抗作用。神経因性膀胱に有効。
・ネオキシテープ73.5mg 1日1回1枚を下腹部、腰部に貼付
経口投与できないとき。
膀胱浸潤による過活動性膀胱にはネオキシテープ3.5mg1日1枚、大腿か下腹部に貼付する。
β3作働薬:
・ベタニス 1日1回50mg
OABの1st choice。膀胱の蓄尿機能を高め、過活動性を改善。心拍数増加やQT変化も稀にあるため、心血管疾患ある場合は事前に心電図を。βblocker使用時は注意。
子宮や前立腺の萎縮がくるため50歳以上で投与する。生殖可能な年齢への投与は避ける。
cf)過活動性膀胱(OAB)について
・OABの定義:1日8回以上排尿かつ尿意切迫が週1回以上(OABSS:スクリーニングテスト)
尿意切迫の例:冷たい水に触れるとトイレまで我慢できない、トイレ前にもれる、旅行前にトイレを我慢etc。
・処方前に残尿量をエコーで確認(排尿後の残尿100ml以上なら専門医へ)
・男性のOABはBPHに合併したものがほとんどなのでまずは泌尿器科へ。α1blockerでBPHを改善させればOABも改善する。
・高齢女性の尿失禁には過活動性膀胱(重症例が切迫性尿失禁)、腹圧性尿失禁がある。
・生活指導は肥満をなくす、喫煙をやめる、過度の飲水やカフェインやアルコール、炭酸をやめる、便秘を避ける、足を組む等を1か月してみて効果ないときは薬物療法。
・骨盤底筋訓練(PFMT)は肛門、尿道、膣まわりの訓練の筋を5-10秒閉めたり緩めたりを20-30回繰り返したあと、0.5-1秒閉めたり緩めたりを20-30回繰り返す運動を1セットとして1日3セットを行う。
・過活動性膀胱は無症候性も含む脳梗塞、パーキンソン病、頚椎症、骨盤内手術による神経因性膀胱や子宮脱による下部尿路閉塞、骨盤底の脆弱性が原因。症状は1日8回以上の夜間頻尿や切迫性尿失禁。
・過活動性膀胱には抗コリン薬6剤とβ3作動薬1剤が有効。
・腹圧性尿失禁は骨盤底筋の緊張低下により咳、くしゃみ、歩行、重いものを持つなどで尿失禁。β2作動薬のスピロペントは横紋筋の遅筋の収縮力を低下させ、速筋の収縮力を高める。子宮脱は膣口から出てくるようなら産婦人科や泌尿器科受診を。
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