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2014年9月17日水曜日

慢性心房細動

☆慢性心房細動
・メインテート2.5㎎ 1錠分1朝食後
  βブロッカー。レートコントロールの第1選択。不十分なら5㎎まで増量。
・セロケン20㎎(ロプレソール) 2錠分1朝食後
  βブロッカー。レートコントロールの第1選択。不十分なら80㎎まで増量。
・ワソラン40㎎3錠分3毎食後
  CCB系。レートコントロールの第2選択。
・セロケン20㎎(ロプレソール)2錠分1朝食後
  ハーフジゴキシン0.1252錠分1朝食後
  βブロッカーで効果不十分な時。
・プラザキサカプセル75㎎ 4C分2朝夕食後 
  抗凝固薬(NOAC)。GFR50以下、70歳以上、消化管出血既往、アミオダロン/ベラパミルの服用中は110㎎1日2回にする。GFR30切る時、イトラコナゾール内服中は禁忌(∵AUCが2倍以上)。リファンピシン、カルバマゼピン併用では作用低下あり。イダルシズマブという中和薬あり。
cf)腎障害、70歳以上、作用増強薬(抗凝固薬、アスピリンなどの抗血小板薬、NSAIDs、ベラパミル投与)、消化管出血の既往ある場合は、貧血の進行、鼻出血、歯肉出血、皮下出血、血尿、血便がないかをチェックしていく。
・ワーファリン1㎎3錠分1朝食後
  1mgから開始し、0.25mgずつ調整する。PT-INRを1.6-2.6にする。納豆/青汁/クロレラは食べない。ワーファリン単剤の方がアスピリン併用より出血リスクが低く、脳梗塞予防効果は同じ(アスピリン併用はしないこと)。禁忌は最近の脳出血、消化管出血、重症肝障害。
 cf)ワーファリンの0.125mgは0.5mg錠を4分の1にする。1mg錠を8分の1にはできない!(ハーフジゴキシンも同様の考え方)
 cf)PTINRが延長しすぎている場合(10以上)はケイツー10mgを生食100mlに溶いて15分で投与(1日2回まで、遮光で投与)。効果発現は1時間ほど。意識が悪い場合や頭痛訴える場合は頭部CTを。絶対安静が必要。
・ワーファリン過剰投与の場合:
 PTINR3以上なら減量
 PTINR5以上なら中止しINR正常化してから再開
 PTINR9以上なら中止しビタミンK1(ケイツー)5-10mgを経口投与しINR正常化してから再開
 PTINR9以上で出血リスクまたは出血ありならビタミンK1(ケイツー)10mgを緩徐に静注
<NOAC(Non-vitamin K antagonist oral anticoagulants)>
・非弁膜症性Afの脳梗塞予防、DVT/PEの治療/発症予防に使う。
・予防効果はワーファリンと同等で、出血リスクはワーファリンより低い。
・血中濃度が安定しており定期的なモニタリングが不要。
・非弁膜症性AfでCHAD2スコア2点以上ならNOACかワーファリン、CHAD2スコア1点ならダビガトラン(プラザキサ)、アピキサバン(エリキュース)を投与。MS、人工弁、DCMのあるAfではワーファリンのみ適応。心原性脳梗塞慢性期も同様。
・どれも半減期は10hr程度なので1日2回投与が基本。
・NOACの作用増強薬:CYP3A4関連ではアゾール系、クラリスロマイシン、P糖蛋白関連ではイトラコナゾール、ケトコナゾール、クラリスロマイシン(他にもあるので必ず確認すること!!)
・NOACの作用減弱薬:CYP3A4関連ではフェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、P糖蛋白関連ではリファンピシン、カルバマゼピン(他にもあるので必ず確認すること!!)
①プラザキサ(ダビガトラン)150mg1日2回(CCr30未満、イトラコナゾール(P糖蛋白阻害薬)併用は禁忌)。腎代謝。
 減量条件:CCr30-50、70才以上、消化管出血既往のうち1つ以上あれば110mg1日2回
 トロンビン時間(TT)延長、APTT延長あれば治療域、TT延長でもAPTT正常なら低濃度
②イグザレルト(リバーロキサン)15mg1日1回(CCr15未満は使用経験なく、イトコナゾール/ボリコナゾール/ケトコナゾール経口投与併用は禁忌)。肝代謝。
 減量条件:CCr15-50なら10mg1日1回
 PT延長するが治療域とは限らない
③エリキュース(アピキサバン)5mg1日2回(CCr15未満は使用経験なく禁忌)。肝代謝。DVT治療/予防は10㎎1日2回7日間の後、5㎎1日2回投与する。DVTに関してはCCr30未満では使用経験なく禁忌。
 減量条件:80才以上、体重60kg以下、Cr1.5mg/dl以上のうち2つ以上あれば2.5mg1日2回
④リクシアナ(エドキサバン)30mg1日1回(CCr15未満は禁忌)。腎、肝代謝。
 減量条件:CCr15-50、P糖蛋白阻害薬併用、体重60kg以下のうち1つ以上あれば15mg1日1回
cf)患者の臨床像に応じたNOACの薬剤選択
①高齢者→併存疾患、75歳以上で頭蓋外出血の少ない薬剤→エリキュースリクシアナ
②腎機能低下例→中等度~重度の腎機能低下例で出血合併症の少ない薬剤→エリキュース
③消化管出血の既往例→消化管出血のリスクを増大させない薬剤→エリキュースプラザキサ110㎎
④出血リスクが高い(HAS-BLED3点以上)→頭蓋外出血が少ない薬剤→エリキュースプラザキサ110㎎リクシアナ
⑤VKAで良好に管理されているのにもかかわらず脳卒中の再発を繰り返す→虚血性、出血性脳卒中の両方にベネフィットが示されている薬剤→プラザキサ150㎎
⑥服薬回数が少ない薬剤を好む患者→1日1回投与製剤を選択→リクシアナ、イグザレルト
⑦VKAによる良好な管理が難しいと考えられる患者(SAMeTT2R2スコア2点以上)→いずれのNOACも選択可能(患者特性を考慮)
⇒まずはエリキュース(アピキサバン)を使っておけばよい。

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