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2014年9月17日水曜日

胃痛(FDも含む)

<注意!!>
胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診の指示とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
鯖寿司を食べた後に胃痛、胆石持ちの胃痛、逆流性食道炎持ちの胃痛、嘔吐を繰り返した後の胃痛など病歴から消化器疾患を強く疑う場合でもまずは心電図にてACSを否定すること!全ての胃痛は心電図が必須!
☆胃痛(FDも含む)
・スルカイン100mg2錠
・ムコスタ100mg3錠分3毎食後
・ランソプラゾール15mg タケプロン2錠朝食後 14日分
・ガスモチン5㎎3錠分3毎食後
  消化管蠕動促進
・オメプラール20mg 1瓶
  生食100ml 1瓶
  30分かけて
 (生食20mlでショットで投与してもよい) 
・ラクテック500ml
 ブスコパン20mg2%1ml 1A
 ブスコパンはショットでCPAも。できるだけショットは避ける。BPHや緑内障ある場合はグルカゴン。
・アタラックスP 25mg 1Aショット
・プリンペラン10mg0.5%2ml 1Aショット
FDの典型処方
・ラベプラゾール10mg1錠分1
・アコファイド100mg3錠分3(アコファイド処方時には内視鏡検査日をレセプトに記載必要あり。)
・ビオフェルミン3g分3
・六君子湯(りっくんしとう)2.5g/包 3包分3
食後の胃もたれ、腹部膨満感がメインなら:
・アコファイド1錠100mg3錠毎食前
 ChEI。消化管の神経終末でのAch増加により胃運動機能改善、迷走神経を介したストレス調節。
・ガナトン1錠50mg3錠毎食前
 抗D2、ChEI。蠕動亢進、受容性弛緩不全改善。BBB通過しにくい。
・ガスモチン1錠5mg3錠毎食前、毎食後
 5HT4作働薬。上部と下部の蠕動亢進、便秘にも有効。
・セレキノン1錠100mg3錠分3(IBSでは6錠分3まで増量可能)
 オピアト調節薬。蠕動亢進では抑制し、蠕動抑制では亢進。
・ナウゼリン1回5~10mg1日3回食前
 抗D2。プリンペランよりBBB通過しにくい。
・プリンペラン5mg1日2回~10mg1日3回
 抗D2。制吐、蠕動亢進作用。BBB通過しやすいため錘体外路症状きたしやすい。
・心窩部痛、心窩部灼熱感ならPPI、H2拮抗薬を使う。
cf)妊娠中の胃痛薬
  ・H2拮抗薬(ファモチジン、ラニチジン)は安全。
  ・PPIも安全だが、H2拮抗薬より奇形発生率はやや高い。
  ・奇形率:通常妊娠2-3%、H2拮抗薬2.7%、PPI3.6%
cf)胆石発作(胆石による急性の痛み、胆嚢炎も含む)にはコスパノンカプセル40mg3c/3x、疼痛時にロキソニン60mg、ムコスタ100mg
cf)機能性ディスペプシアは胃壁伸展異常や伸展に対する知覚過敏。ピロリ除菌でよくなるのは15人に1人。PPIやアコチアミドを使う。あとは抗うつ薬、抗不安薬、漢方。
cf)FD(機能性消化管ディスペプシア)の診断基準:
 ①食後のもたれ感
 ②食後早期の飽満感
 ③心窩部痛
 ④心窩部灼熱感
  のうち1項目が3ヶ月以上続く
前2つはPDS(post prandial distress syndrome:食後不定愁訴症候群)、後2つはEPS(epigastric pain syndrome:心窩部痛症候群)と呼ばれる。
・FDの成因は、胃酸分泌の亢進または低下、胃排出能の遅延、胃前庭部の運動能力の低下、噴門部適応性弛緩能低下 (十二指腸に脂肪が流入するとCCKが分泌され胃収縮能や噴門部の拡張能が低下する。FDではCCKへの感受性が高い)、十二指腸胃逆流(十二指腸内のMΦや好酸球の増加を認める)、胃小腸の内臓知覚異常、
ピロリ箘による胃粘膜の炎症(除菌すると3年で症状改善することあり)
、腸脳相関(幼少期の過度のストレスにより内臓感覚処理機構の異常)
cf)胆汁逆流による胃炎ならPPIは逆効果。胃液が緑色なら胆汁逆流によるものか。粘膜保護剤とガスモチンで対処する。

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